「夢」・「希望」そして「目標」
体育祭にはじまり、文化祭などの大きな学校行事も無事終わり、はや11月も半ばになりました。2学期もあと1ヶ月ほどです。ふと周りの山々を見渡すと美しかった紅葉も少し色あせ始め、冬の気配が近づいてきているように感じます。
さて、話は変わりますが、パナソニックの創始者である松下幸之助氏の本を読んでいて「なるほど」と感じた話を紹介します。それは、次のような話です。
「夢や希望を持つことが大事だからといって、それにとらわれて、みずからの立場なり、現実の社会というものを忘れてしまってはいけない。それでは夢があくまでも夢のままに終わる。けれども、現実に照らして一段高い目標を定め、これにしたがって日々の仕事を着実にすすめてゆくならば、その夢がしだいに現実化してくるのだと思う。また、そういうところに人生の喜びというか、いわゆる生きがいというものを感じることができるのではないだろうか。」という内容です。
話は難しいように感じますが、つまり、現実味の少ない「夢」でもしっかりと持ち、それにとらわれずに、今できることにしっかり向き合い、努力し続ければやがて「夢」が現実味を帯びた「希望」になり、さらには実現できる目標へ、そしてその達成へとつながるということ、そして、そういう生き方をしないと人生は生きがいを感じないものになってしまうということを言っておられるのだと思います。
最近の世の中は、10年一昔どころか日々すごい進歩をしています。携帯電話やインターネットの普及そして目の前に自動車の自動運転の実現がせまっています。誰がこんな世の中を20年ほど前に予想したでしょう。しかし、この松下氏の言葉のように、夢を希望へ、希望を目標へ、そして実現へとはつなげる地道な取り組みがあって、はじめて今のような便利な世の中が生まれたのだと思います。
私たちは、日々の生活に追われ、現実の厳しさに若い頃に抱いていた「夢」や「希望」を忘れてしまい、ややもすれば便利になった世の中の流れに流されるだけになってしいます。しかし、これからの社会を生きていく子ども達には「夢」や「希望」を持ち続け、やがては実現可能な「目標」へと努力を続ける人になってもらいたいと思います。そのためには、子ども達が歩むべき方向を見失わないように応援し、見守っていくことが大切だなと改めて考えることのできた話でした。
平成29年11月17日
学校長 小林 琢哉