卒業式に思う
本日3月8日(金)、本校の第53回卒業証書授与式が挙行されました。
今年度の卒業生は24名でした。そんな彼らに私は式辞で「有志竟成」(ゆうしきょうせい)という言葉を贈りました。これは、昨年ノーベル医学生理学賞を受賞された京都大学特別教授 本庶 佑(ほんじょ たすく)先生の座右の銘で、「一見すると困難のようにみえても、固い信念を以て事に当れば遂には実現される」という意味です。なぜ私がこの本庶先生の言葉を贈ろうと思ったのかというと、それは昨年12月に神戸新聞を見ていると正平調の次のような記事が目にとまったからです。一部を紹介します。
『(前略)「セレンディピティ」。今年のノーベル医学生理学賞を受賞した本庶佑さんの言葉が目にとまった。(中略)偶然を成功につなげる力、または、予想もしない事象から大切なものを見抜く能力、と言った意味があるそうだ。本庶さんは、がんの免疫療法に道を開いた発見を振り返りつつ「とても幸運だった」とも語っている。他人と同じものを眺めて「おやっ」と思える幸運はそうたやすく訪れまい。いちずに、しかも柔軟に。コツコツ積み上げた経験と重ねた失敗の数が“気づく力”となって大発見につながったのだと想像する。(後略)』【2018年12月12日神戸新聞正平調より】
この記事を見た時、本庶先生のことをもっと知りたいと思うようになりました。そしていろいろと調べているうちに出合った言葉が「有志竟成」だったのです。私はこの言葉と同時に本庶先生の生き方をぜひ生徒たちに伝いたいと思いました。そこで卒業式の式辞にこの言葉を入れようと考えたのです。生徒たちにはどのように通じたか分かりませんが、卒業後も自分の目標に向かって生き活きと粘り強く頑張ってほしいと願っています。
卒業生に幸多かれと祈りつつ。
平成31年3月8日
学校長 山 本 修 示