「くさかんむり」に父と書くと?
昔を懐かしんでいるうちに、30年近く前のことを思い出しました。それは、子育てをテーマにした講演会で聞いたお話です。講師の方が、母の役割・父の役割を漢字で表すよう問いかけられました。
「くさかんむり」に母と書くと ⇒ 分かりました。苺(いちご)です。
まろやかで、温かく包んでくれるような感じがします。
では、「くさかんむり」に父と書くと
⇒ そんな漢字あったかな? 私には分かりませんでした。
講師の方は、こうおっしゃいました。
「『艾(もぐさ)』です。お灸に使う物です。『お灸を据える』という言葉どおり、ここという時に出番があるのです。」と。
そのお話を聞いて以来、教師である以上、「苺」と「艾」の両面をもっておかなければならないと、常に思ってきました。
教職に就いて38年間。出会ってきた子どもたちには、私はどう映っていたでしょうか?
アメリカの教育者ウィリアム・ウォードは、このような言葉を残しています。
平凡な教師は言って聞かせる。 よい教師は説明する。 優秀な教師はやってみせる。 しかし最高の教師は子どもの心に火をつける。 |
振り返ってみますと、私は言って聞かせることが多かったように思いますが、「子どもの心に火がついた」というバトンを確実に渡せるように、先生方と共に取り組んで参ります。
令和3年2月1日
校 長 藤井司郎