「葉桜の中の無数の空さわぐ」 篠原 梵(しのはら ぼん)
(はざくらの なかのむすうの そらさわぐ)
登校の見回りで川沿いの桜並木の道を歩いておりました。
4月に赴任したときは桜の花はもう散り始めていました。その時は、「満開の頃、見たかったな」と思っていましたが、先日改めてその木々を見ると、いわゆる「葉桜」になって若々しいエネルギーに溢れていました。
柔らかな黄緑がかった葉が枝いっぱいに満ち広がっています。夏の深い緑の葉ではなく、若くて柔らかなそして軽い緑の葉の下に行き、ふと上を見上げてみました。
そこに葉の間から無数の空が見えています。朝の時間でしたが、葉の間から見えるその空は清々しい薄い青色で、風に吹かれて葉が揺れるのに合わせて、薄青の空は命あるかのごとく躍動します。
葉桜の間に見える空のように躍動する子どもたちの姿を思った瞬間でした。
城下小 和田