更衣 駅白波と なりにけり 綾部 仁喜
(ころもがえ えきしらなみと なりにけり)
最近は季節が前倒しになり5月の連休が明けると暑い日が続くき、一昔前のようなはっきりした衣替え(更衣・衣更え)はなくなった気がします。
わたしが子どもの頃の5月31日に先生からの「明日から衣替えだからな」の一言で、6月1日になると全校児童が冬服(春服)から夏服へと一斉に替え、学校全体が明るく感じられたものです。
当時はこの句の「駅」が「学校」になるような風景が見られました。中には、うっかり「衣替え」を忘れ、6月1日の朝に冬服(春服)で登校の集合場所に行くと「しまった。衣替えだった。」と急いで家に戻って、冬用の制服(上着)を置きに帰り、慌てて登校の列に追いつく子どもがいたものです。
日本で「更衣(ころもがえ)」は、平安時代、宮中行事で旧暦の4月1日および10月1日に夏服と冬服を着替えるところから始まったとそうです。江戸時代には庶民にも広がり、明治時代に夏用・冬用の制服を替えることへとつながり、なんと時期まで決めらたそうです(冬服を10月1日~5月31日、夏服を6月1日~9月30日)。
何だか「6月1日になったら衣替えだな。」などと口にすると「昔の人ですね。」と言われそうですが・・・でも「更衣・衣替え」をきっかけに気分一新、楽しく季節を迎えるのもいいものです。
城下小 和田