校長室通信

通信
12345
2023/05/15

「 大切にしたい情報 」

| by 制作担当
                                                                                                                               校長 浅田 和典
 
 山の木々や校庭の草木が元気に新しい葉を伸ばす、爽やかな好季節を迎えました。5月は、季節的にも花粉や黄砂が少ない「きれいな空気」を吸うことができる、過ごしやすい時季であり、併せて新型コロナの五類への移行を受けて、新たな時代が始まる希望に満ちた月の始まりにもなりました。
 保護者の皆様には、多忙な年度初めにもかかわらず、PTA理事会や授業参観・総会・懇談会への参加、家庭訪問の受け入れへのご協力等、誠にありがとうございました。
 さて、新学期になってから約1か月余りが過ぎ、学校では頑張って玄関まで歩いて来た1年生の初々しい姿や自分の考えを発表しようと勢い良く手を挙げる姿、元気に音読をする姿や休み時間に急いで運動場に向かおうとする姿など、新しい環境で頑張ろうとする生き生きとした子どもたちの姿があります。その中でも特に、6年生を中心に上級生の一年生に対するやさしい行動が光っています。朝の登校の際に、一年生を励ましながらランドセルをそっと押して歩いてくれたり、参観日前の準備の後に自主的に下駄箱の靴を揃えてくれたりする児童たちなど、心がほっこりする行動に神野っ子の素晴らしさを感じます。学校の中で「やさしさの輪」が広がっているようで、本当に嬉しい限りです。
 また、先日久しぶりに全校朝会を体育館で行いました。その時に、学校教育目標にある「やさしさ」について話をし、次のような報告をしました。登校の時、ある児童の水筒が溝に落ちて困っていたら、同じ登校班の別の児童が靴を脱いで裸足になって溝に入り、その水筒を拾ってくれたそうです。自分を犠牲にして人を助けるということは、簡単にはできない勇気のある素晴らしい行動です。そしてその情報は、見守り隊の方がわざわざ学校に電話をしてくださったことでわかりました。児童の素晴らしい行為と、見守り隊の方の児童への愛情を感じながら、全校児童にそのことを報告することができました。本当に有り難いことです。
 全校朝会では「命を守ることの大切さ」についても話をしました。何よりも大切なかけがえのない命、その命を大切に守り支え合う神野小学校にしたいという願いを伝えました。その後、職員が具体的な命を守る行動についての話をしました。すると早速、子どもたちの様子が変わってきました。相手の命を守る行動として、廊下を走ったり、相手に対する危険な行動をしたりすることについて、子どもたちなりの言葉で声に出して呼びかけてくれるようになりました。
 世の中では、厳しい社会情勢や様々な課題、悲惨な事件や事故に関する多くの情報が流されています。もちろん、そのような課題に目を向け、危機意識を高め、課題の解決に向けて考えることは必要不可欠です。しかし一方で、「余りにもそのような情報が多すぎないか。それらが世の中全体の真の姿を表しているのだろうか。もっと大切にしたい情報があるのではないか。」と思うことがよくあります。その「大切にしたい情報」とは、人生の夢や生きがい、人との出会いや感動、子どもたちの様子や成長、大自然に触れた感激、日常の発見や喜びなど、日々の小さな人生の出来事であり、そこにこそ大きな意味や価値があると思います。そんな情報に目を向け、時間と頭を使いたいものです。
 学校は、子どもたちが見せてくれる純粋さや成長への意欲、そして保護者や地域の方々の子どもたちへの愛情、それらの前向きな力が創り出す感動で満ちています。かけがえのない子どもたちの成長は、全ての人々が最も大切にしたいことであり、知りたいことでもあります。学校は、できるだけ多くの「大切にしたい情報」を校報やホームページ、学級通信等で発信し、社会の元気の源でありたいと思います。是非、皆様からの情報もお待ちしています。よろしくお願いします。

10:38
12345
PAGE TOP