校長 浅田 和典
早いもので1学期も残すところわずかとなりました。この3ヶ月余りの期間、「3年ぶりの」という言葉を多く使ったり聞いたりしました。徐々にではありますが、今までコロナで中止をしてきた活動を再開することができ、本来の学校の姿に近づいてきていることを嬉しく思います。
この間、老人クラブや各自治会役員の皆様、地域ボランティアの皆様には、多大なるご支援とご協力を賜りまして、誠にありがとうございます。朝夕の見守りや声かけ、花まるロードの花の植え替えや草引き作業、農地の手入れや芋の苗植え、大豆植えや家庭科の指導補助、本の読み聞かせ活動等々で、大変お世話になりました。様々な活動の再開に際して、子どもたちの笑顔や学びの充実のために積極的に関わってくださったこと、大変有り難く思っています。ボランティアの方から、「学校に来て子どもたちとふれあうと、元気になれます。」とおっしゃっていただき、改めて子どもたちが与える力、人と人とのふれあい活動の大切さを実感しました。
また、行事や授業においても、感染対策を講じながらではあるものの、多くの活動を実施することができました。4月と6月の参観授業、新入生歓迎遠足や自然学校、環境体験学習、しそう森林の探検隊活動、プール水泳、リコーダーや歌唱練習等、今までできなかったことができ始めました。そして先日、宍粟市の「社会を明るくする運動」作文コンクールで、6年山口さらさんの「身の回りから幸せに」という作文が、市の最優秀賞に選ばれ、表彰されました。その作文の中で、「嫌なことを言ってきた人がいたら、その人を悪く見るのではなく、なんでそんなことを言ったのかなとか、どうしたら仲良くなれるかなと考えてみることが大切だとわかりました。」というところが特に素晴らしく、心に残りました。
1学期に行った学校としての新たな取組は、次のとおりです。
学校での「いじめ」の未然防止と早期発見に向け、今までの各学級学期に1回のアンケートを月に1回行うと共に、新たに「いじめ防止保護者アンケート」(メール)の配信を学期に一回行いました。このことによって、いじめに関する児童や保護者の認識を深め、いじめを許さない学校の人権文化を定着させ、いじめによって傷つく児童をつくらない、いじめをした児童に豊かな心を育むことをめざしています。
一人1台のタブレットパソコンを利用したICT教育の充実に向け、授業参観の午後にオンライン授業を実施しました。(なお、今年、夏休みの登校日は実施しませんが、8月25日にオンライン登校日を設定し、2学期のスタートに備えます。)
学校からの情報発信を充実させるために、見守り隊を始めとしたボランティアの方々にメール会員になっていただき、学校行事や下校時刻の変更、緊急連絡についての情報共有を図りました。また、ホームページにも同様の内容をアップし、確認していただきやすいようにしました。
校内美化活動として、階段や廊下の壁の一部を、トライやる・ウィークの4人の中学生にも手伝ってもらって塗り替えました。築34年の校舎の壁を白くして、児童が少しでも明るい気持ちで過ごせるようにしました。
また、本校は昨年度から宍粟市教育研修所指定の生徒指導研究推進校として、年に三回の講師招聘研究会を実施しています。本年度一回目の研究授業を、7月4日に6年生で行いました。この研究の柱であるソーシャルスキルトレーニング(SST)とは、対人関係や集団行動を上手に営んでいく為の技能(スキル)を身に付けようとするものです。今回の授業では、「言いたいことをはっきり伝えつつ、その主張の理由を説明し、具体的な改善方法を、表情や言い方を工夫しながら伝える」練習でした。6年生のみんなが一生懸命考えて練習をしていました。そして早速、翌日には、「他学年の子に言いたいことをうまく言えた。」と、うれしい報告もあったようです。昨年度の研究結果から、本校の児童は、自己肯定感が低い傾向にあります。これは日本の子ども全般にも言えることです。自己肯定感を高めるには、生活の中で、小さな自己決定の経験を積み上げることが大切だと言われています。決定事項を子どもに伝えるだけではなく、「選択肢を提示して判断を促す」ような我々大人たちの考え方とスキルが求められています。学校はもちろん、ご家庭でも実践していただければ幸いです。
玄関には、子どもたちの平和への願いを込めた七夕飾りが飾られています。個人や社会そして世界への願いを胸に、これからも明るい気持ちで目標をもって元気に過ごしてほしいと願います。