式 辞
暖かい春の光が輝きを増し、堅かった校庭の桜のつぼみが膨らむ季節となりました。希望と喜びに溢れる今日の良き日に、宍粟市教育委員会 教育長 「西岡 章寿 様」をはじめ、多数のご来賓の皆様のご臨席を賜りますとともに、保護者の皆様のご列席を頂き、ここに宍粟市立山崎小学校、平成二十九学年度第百四十二回卒業式をかくも盛大に行うことができましたことを、高いところからではありますが、心よりお礼申し上げます。
卒業生七十五名のみなさん、ご卒業おめでとうございます。
今、私から皆さん一人一人にお渡しした卒業証書は、小学校のすべての学習を修了したという証です。
これまでの自分自身の頑張りに胸を張り、自信を持って中学校へと羽ばたいて下さい。
さて、卒業生の皆さんと校長先生が出会ったのは、今年度が初めてではありません。
六年前の入学式。皆さんが、まだしっくりいかない大きめの制服で、体育館に満面の笑顔で音楽に合わせて入場してきたことを、つい昨日のように覚えています。そうです、その時、教頭先生として山崎小学校にいたのが、私です。
皆さんが、一年生だったときは、とっても大変でしたね。新校舎建築のための引っ越しがありました。全校生が、自分たちの荷物を持って、仮校舎へ移動しましたね。仮設校舎は、決して広いとは言えず、皆さんには窮屈な思いをさせたと思っています。
「さよなら校舎」というイベントを覚えていますか。解体されていく校舎に感謝の意を込め、寄せ書きをしたり、山崎小学校の歴史を大きなスクリーンに映したりしました。最後に、みんなで盆踊りをしたりもしましたね。
そして、新校舎完成後、皆さんは、再び自分たちの荷物を持って、真新しい学舎へ引っ越しをしました。
よく考えると、君たちは旧校舎・仮設校舎・新校舎と三つの校舎を経験したことになりますね。このような経験は、後にも先にも皆さんだけだと思うと同時に、環境のめまぐるしい変化に慣れなければいけないという、想像できないような大変な目に遭わせてきたんだなと、申し訳ない気持ちもわいてきました。
そして、皆さんと二度目の出会いとなった平成二十九年度。
皆さんは、表情にかすかな面影を残しつつも、立派な少年、そして少女に成長していました。そればかりか、最上級生として学校をリードしていく立場になっていました。
新入生の歓迎遠足から始まり、日々の登下校で下級生を気遣った安全確保、見に来てくださる方に感動を与えようと、「一生懸命」を合い言葉に頑張った運動会・学習発表会と、数々の行事を七十五名が仕事を上手にシェアし、一人一人が自らの責任を果たすことで、見事に成功させてくれました。特に、学習発表会でみんなに披露した和太鼓の鼓動は、今も先生の体に染みついています。
また、代表選手のみの出場ではありましたが、市の駅伝大会では大変優秀な成績を収め、市内に「ささの子魂」の素晴らしさを広く伝えることとなりました。
でも、成績だけではありません。全十一チームの参加と、これまでにない多くの参加チームを得たことが、校長先生にとっては、大きな喜びです。
苦しいことから逃げずに、チャレンジする精神。
山崎小学校の良き伝統として、新たに皆さんが気運を高めてくれたことが、何よりうれしいのです。
校長先生が、何を差し置いても最初にみんなに伝えたいのは、これらの頑張りに対する感謝の気持ちです。
七十五名の皆さん、本当にありがとう。
中学校に進むみなさんは、これからは、まさに人としての土台を創り上げる大切な時期に当たります。
どうかこれから、私がお話しすることを心がけ、しっかりとした人生の土台を築いて下さい。
一つは、「人との関わりを大切にしてほしい」ということです。
皆さんは、六年間の小学校生活で、友だちの優しい言葉に励まされたり、親切な行為に助けられたことがあると思います。
また、逆に皆さんが周りの友だちにそのようにしてあげたことも多くあるのではないかと思います。
私たちは、このように、いつも人との関わりの中で成長し、支え合って生きているのです。
みなさんが将来出て行く、社会は、このような人間同士の関わり合いで成り立っているのです。
中学生という思春期の入り口では、皆さんは、様々な事柄と出会い解決を求められることとなるでしょう。
そのようなとき、友だちは、かけがえのないものとなると思います。
互いに助け合い、励まし合える人間関係を築き、一生大切にしていって下さい。
もう一つは、「全力を尽くす」ということです。
皆さんは、運動会での組み体操、応援合戦。学習発表会では、すばらしい合奏、和太鼓で見るものに多くの感動を与えてくれました。
しかし、当日本番までには、皆さんの心の中には様々な葛藤やあきらめの心があったのではないでしょうか。人間だもの仕方がないことですよね。
でも、皆さん一人一人がその心を乗り越えたからこそ、人に感動を与える演技ができたのです。
人の心の中では、いつでも二つの心が戦っています。
「やり通そう、最後まで頑張ろう」という心と、「やめてしまえ、そのくらいでいいだろう」という心です。そして、皆さんは、あきらめの気持ちに打ち勝った経験を持っています。
思い出して下さい。マラソン大会で歯を食いしばって駆け抜けた日を。市内最多チームエントリーをした宍粟市駅伝大会で、中継所で待つ友の姿を思い浮かべ、自分の心にむち打ってたすきを繋いだ日を。
是非、「最後までやり通す」という心を持って、中学校での学習・部活動の両立を果たして下さい。
「自らの限界より、一歩踏み出そう!」
校長先生が、皆さんに何度も言い続けてきた言葉です。
最後になりましたが、保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。小学校生活の六年間、その中には、多くの喜びと共に、ご苦労やご心配があったことと思いますが、今日のお子様の成長した姿を見て、お慶びも一入のことと思います。改めてお祝
いを申し上げます。
お子様も、いよいよ中学生となり、心配なことも増えてくること
と思いますが、大人へ向けて大きく成長するとても大切で楽しみな時期でもあります。
これからも、どうか温かい目で見守っていただけますようお願いいたします。
ご来賓の方々におかれましては、ご多用中、ご臨席いただき、有り難うございました。今後とも中学生としての彼らの成長を見守っていただけますようよろしくお願いいたします。
卒業生の皆さん、皆さんの晴れの席に、小学校生活総仕上げの大切な時間に、校長という立場でありながら、立ち会い、笑顔で見送ってあげることが出来なくて本当に申し訳ありません。
この時間、この瞬間。校長先生は離れていても、名簿を見ながら一人一人を思う浮かべ、心からのおめでとうを伝えています。
結びに、卒業生の皆さんが、本校で学んだことに誇りを持ち、立派な中学生となる事を期待して式辞といたします。
平成三十年 三月二十二日
宍粟市立山崎小学校
校長 久保 欽哉
夢にときめけ!明日にきらめけ!
~ブルブル汗で一歩ずつ~
卒業おめでとう!
先生たちはずっとみんなのことを応援しています!