校長室通信 No.48 2016 3.8 晶を求めてひたすら前進 宍粟市立山崎東中学校 小池 正明 |
東中プライドを胸に秘め 巣立つ92名に 幸多からんことを祈る!
3月10日(木)は学校行事のクライマックス、卒業式です。中学校の卒業式と言えば、なぜか冷え込みが厳しくなることが多く、降雪、積雪など極端な場合もありました。今年は何としても温かくて穏やかな天気に恵まれることを心より願います。
今年は3年生92名が東中を巣立ちます。東中への彼らの入学と私の異動が同じ平成25年4月であり、共に過ごした3年間、私自身彼らの卒業に対して何かと思い入れが強いように感じています。
「晶を求めてひたすら前進 文武両道・質実剛健 巻き起こせ東風」を合い言葉に過ごした3年間、部活動に、生徒会活動に、学校行事に、そして学習活動に、東風の伝統を受け継ぎよく頑張りました。特筆すべき第一に、部活動での活躍が上げられます。運動能力だけでなく、先生方の熱心な指導に対して、生来の素直さを発揮してメキメキ上達し成果を収めました。また、特筆すべき第二に、皆勤賞に輝いた生徒の多さです。中学校3年間欠席なしは19名(3の1-6名、3の2-6名、3の3-7名)で、3年生の1年間では35名(3の1-12名、3の2-13名、3の3-10名)でした。部活動終了後の学校生活でも極めて遅刻する生徒が少なく、遅刻・欠席の少なさは、これ以降の生活での生きる力の礎になることは間違いありません。
ただ、少し注文するならば、生涯に渡り学習することから遠ざかることはできないので、高校に進学しても、石の上にも3年、何とか卒業し、一人一人の多様で豊かな人生に繋がることを心より願います。
このように、東中での3年間を無事に修了して巣立つ92名、胸を張り大きな声で返事し、文化祭で披露したコーラスに勝る歌声を披露し、凜とした雰囲気に包まれつつ、参加者全員が感動を共有できる卒業しになることを心より願います。
<何れの処か春風 別離無からん>唐詩選の薛業(せつぎょう)の漢詩の一節にあります。春は別れの季節です。
山崎高校新聞(卒業特集)より
ヤカンに水を入れてコンロにかけ、温めます。初めのうちは、見た目には何の変化もありません。しかし、しばらくするとクツクツと音を立てて気泡が出はじめ、ついに沸騰し、水は水蒸気となって空気中に飛び散ります。まさに、液体という状態から気体という状態に劇的に質が変化したのです。沸騰する前に加熱をやめてしまえばこの変化は起きません。一見変化していないようでも加熱し続けた結果なのです。変化が目に見えないからと言って、途中で加熱をやめたら沸騰しないのと同じように、どんなに才能豊かな人でも、持続力や忍耐力がなければ成長の質的変化は起きないのです。
確かに、何か一つのことに取り組んで、頑張っても、頑張っても、成果が出ずに、足踏みをさせられることがあったり、周りの人から認められなかったり、自分の思うようにいかないことがあります。しかし、沸点に到達するまでめげずにがんばり続ければ、今まで見えなかったものが突然見えるときが来ます。学問でも仕事でも楽な道はありません。毎日のひたむきな努力の積み重ねが、ある日突然の成長の質的変化をもたらすのです。このひたむきさこそが周囲の敬意や信頼を集め、その道で認められる存在になるのです。
目先の結果ばかりに一喜一憂せず、長期にわたる目標を持ち、挑戦し続けてください。失敗や挫折は、必ず成長の糧となり、皆さんの人生を実り多いものにするはずです。