秋の思い出
コロナ渦で始まった2020年もあと2ヶ月ほどになりました。3年生の修学旅行を筆頭に多くの行事が延期、中止、規模の縮小などになりましたが、なんとかここまで大きな事故もなく学校生活が送れています。これも生徒の頑張りだけでなく、保護者・地域の皆様のご理解、ご支援のおかげだと思っています。令和2年度もこの状況をしっかりと維持して乗り切っていくよう頑張りたいと思います。
さて、話は変わりますが、秋のこの時期になると思い出すことを少し話してみたいと思います。
「松茸」は今では高級食材で、そう簡単に手に入らないようになってしまいました。しかし、私が小学校の低学年の頃は、まだ自治会の「松茸山」の入札が行われており、隣近所2,3軒で落札できるくらいの値段だった時期がありました。毎年、入札をしてその2,3軒で取りに行っていたのですが、当時は「どんごろす」(麻袋の大きい袋)を各家でもって山に行くとその袋いっぱいに「松茸」がとれました。当時はまだまだ裕福な時代ではありませんでしたが、松茸のとれた日からは、姿焼き、土瓶蒸し、すき焼き(肉はほとんど入っていませんでした。)、松茸ご飯としばらくの間だ「松茸三昧」の食卓で、小学生ながらわくわくしていたのを覚えています。
ある年の松茸狩りで、私は山に入り、大きい松茸を探そうと一人でうろうろとみんなと違うところを探していました。すると、松茸より少し黒い感じのキノコを3つほど見つけました。大きさは松茸のかさが開いたのと変わらないくらい大きくて、当時の私は「新種の松茸を見つけたぞ」と意気揚々とみんなのところに持っていきました。そのキノコを見た近所のおっちゃんから「これ椎茸やぞ。ようこんな山の中の天然物見つけたな。山でみつけるんは珍しいぞ。」と一言。当時椎茸は栽培するものと思い込んでいた私は、当たり前のことですが、椎茸も自然の山に生えるのだと改めて学びました。
私が理科好きになった一つの体験でもあります。
子供にとっては体験がもっとも身につく学習になるということです。しかし、今年はコロナ渦でその体験活動が思うようにできていません。机上の学習をどのように生きた学力へとつなげていくかを考えながら、日々の学校生活を工夫していきたいと考えています。今後ともご支援・ご協力をよろしくお願いします。
令和2年10月27日
学校長 小林 琢哉